最近、スタッフの一人は石巻市北上町十三浜を何度も訪ねています。
スリランカで漁業支援を続けてきたことから、東日本大震災被災者支援として
パルシックは漁業支援をずっと検討していました。
そうして出会ったのが、北上町十三浜です。
今何に困っていて、何を必要としているのか?
浜を歩いたり、漁協や市役所を訪ね、さまざまな支援を検討しています。
石巻市に合併したばかりのこの町は、市街地から離れており、
市街からも、隣の南三陸町志津川中心部からもアクセスが悪く、
支援の手が遅れていたと聞きます。
私たちも、緊急救援として東松島から気仙沼までずっと物資配布に走っていましたが、
北上町は数度しか訪ねたことがありませんでした。
「十三浜はワカメがおいしいよね」石巻にいると、そんな声をききます。
十三浜の塩蔵ワカメは、しゃきしゃきした食感もおいしく、
評判の高いブランドわかめです。
おいしそうですね。海藻の詰め合わせ。 |
ワカメのほかコンブ、ホタテなどの養殖業を生業としていた十三浜の漁師さんたち。
多くの方が船も加工場も流されてしまいました。水産庁の支援などもありますが
それでも1/3は自己負担、すべてを元の通りに戻そうとすると、家や車、
日々の生活・・・さらに生業の資材が加わることになり、多大な資金が必要となります。
そんな中、ワカメは、10月末から種付けの時期を迎え、それを行うことができれば
2月末に収穫ができるので、数年の歳月が必要なホタテなどの養殖に比べ
いち早く収入を得ることができます。
生業のスタート、これからの生活再建になる第一歩を少しでも力になりたいと考え、
十三浜支援のひとつとして、このワカメ生産を支援したいと検討しています。
まずは、「猫の手は使えなくても赤子の手も使いたい!!!」という
ワカメの種付けボランティアを派遣しようと検討しています。
岸壁のそばで種付けをするロープにワカメの種を刺す作業をするボランティアです。
「ぜひ手伝いたい!」という方はぜひぜひ、パルシックまでお問い合わせください。
一緒に漁師さんたちのスタートを支えませんか?
浜に揚げられたワカメは浜でボイルされ、この機材でプレスして圧搾します。 |
これがワカメの種を刺すロープ。 |
種付けボランティアは、このロープをこのようにひねって、できた隙間にワカメの種を刺します。 |
種付けまであと1か月。今、あちこちでこのワカメのロープに浮を付ける作業が進められています。このロープとワカメの種の到着も急がれています。
ワカメの種を生産している岩手なども被災しており、「種の生産が間に合っていないらしい」
「遅れているらしい」といった不安の声を漁師さんたちから聞きます。
間に合いますようにと祈るばかりです。